「木と辛でできた漢字・・・。」
「読み方は?」
木と辛がくっついた、梓という漢字。
読み方は、シとあずさです。
この梓についてのお話です。
- 木と辛の漢字!「梓」は二種類
- 日本での「梓」とは?
- 中国での「梓」は軟らかい木
という順になっています。
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木と辛の漢字!「梓」は二種類
木と辛でできた漢字、梓。
読み方は二種類で、シとあずさです。
梓とは、木の名称です。
左側に木という文字が付いているのは、そのためです。
この梓の読み方はシとして中国でできました。
それが音読みです。
そして漢字が日本に伝わると、梓はあずさという読み方に。
こちらは、訓読みですね。
じつは、日本での梓(あずさ)と中国の梓(シ)とは違う木です。
それぞれの梓の読み方や語源は、どのようにして出来ていったのか?
探っていこうと思います。
日本での「梓」とは?
日本では、梓はあずさと読みます。
あずさといえば、特急列車が思い浮かびます。
あずさは、新宿~信州の松本駅を往復する列車です。
松本に住んでいたことがある筆者は、あずさを使って里帰りをしていました。
思い出の電車です。
日本の「梓」は「厚房」
話がそれましたが、日本の梓=あずさの語源は、厚房(あつふさ)です。
厚房とは、木の葉っぱが厚いということです。
「あつふさ」が「あずさ」に
日本では、梓という木をミズメという樹木にあてました。
このミズメの葉が厚めなんですね。
それで、ミズメという木を表現するために、厚い葉の房の木を略してあつふさと読みました。
このあつふさが変化して、
梓=あずさ
と読まれる様になったのです。
日本の梓!その利用は?
この日本の梓は硬く、弾力性抜群。
そのため、昔は弓の素材として活用されました。
梓弓(あずさゆみ)と呼ばれ、神事にも使われたんですよ。
出産の時の魔除けにされることも。
次の章では、中国の梓「シ」について見ていきましょう。
中国での「梓」は軟らかい木
日本ではミズメという硬い木の梓。
中国では軟らかな木を指す言葉でした。
それは、キササゲという木です。
中国の「梓」は「キササゲ」
中国では、梓はシという読み方です。
読み方の音は、梓の右側部分辛からきています。
このシというのが、キササゲという木。
キササゲは愛情のシンボルとして、大事にされている木なんですよ。
版木に使われた「梓」
キササゲは軟らかい木です。
その材木は家具の他、印刷の版木(はんぎ)にも使われたんですよ。
版木とは、印刷のために板に反対向きの絵や文字を掘り込んだものです。
8世紀ごろの中国の唐の時代に始まった技術です。
木と辛で「梓」になった
木と辛でできた梓。
この梓の語源は、
切りやすい木
というものです。
梓の右側の辛という部分。
この辛は刃物を表す文字です。
象形文字は、こんな感じです。
3種類の象形文字を出してみました。
なんとなく、刃物で物を切るイメージがあります。
この辛という刃物で、軟らかいキササゲという木を切ったのです。
それが、梓という漢字になりました。