「木と只の漢字、読み方は?」
木と只がセットになった漢字、枳。
この枳の読み方は、
キ・シ・からたち
となります。
さっそく、この枳という漢字の意味と読み方の語源について、見て行きましょう。
- 木+只の漢字!「枳」の意味
- 「枳」の字を分解してみた!
- 「からたち」の別名!
という切り口で探っていこうと思います。
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木+只の漢字!「枳」の意味
木・只をセットにした漢字、枳。
この枳の意味は、からたちと呼ばれる樹木です。
枳(からたち)は高さ5m前後まで成長する、少し背の低めの木です。
この枳、春に花を咲かせます。
こんな感じの白い花です。
秋になると、小ぶりの果実が熟すのですが、すっぱくて食べられません。
しかし、枳(からたち)の果実は陰干しされ、薬として利用されました。
その薬は、枳殻(きこく)と呼ばれていて、からたちの別名にもなっています。
「枳」の字を分解してみた!
枳という漢字には、
小さな果実の木
という語源があります。
枳という字を分解してみましょう。
ご存知の通り、左側が木、右側が只になります。
さらに「只」を分解!
右側の只は、さらに2つに分解できます。
上の口と、下のハの形の部分です。
じつは、只は上の口から息を吹き出している様子を表しています。
口から吹き出した息は、ハの部分で小さく分かれていくのです。
「枳」は「小さな果実の木」
枳という漢字は、
木=樹木
只=小さな実
つまり小さな果実の木を表しています。
「からたち」の別名!
からたちは、枳や枳殻という文字で表される、とお話しました。
ところが、まったく違う字の別名もあります。
「唐」+「橘」=「からたち」
もともと、からたちは中国原産の木です。
漢字が伝わった直後。
からたちは、まだ日本には自生していなかった様です。
ですが、からたちに似ている木はありました。
橘(たちばな)という木です。
そこで、からたちは中国の橘という意味で唐(から)橘と呼ばれました。
唐は中国の昔の国名です。
そして、この唐橘からからたちという読み方が生まれたのです。
「唐橘」から「枸橘」へ
からたちは、唐橘ではなく枸橘という別名で表記されるようになりました。
ここで、枸という漢字が出てきました。
この枸は棘のある枝を表す漢字です。
枸の句の部分が棘を表しています。
象形文字をみると、こんな感じです。
口の回りを棘が囲んでいるのです。
「からたち」の棘
からたちの花がちり、若い果実が出てきた画像を見てみましょう。
棘(とげ)が沢山あるのが分かります。
橘の若い幹にも棘は存在しますが・・・。
からたちの棘はその比ではありません。
かつて、からたちは防犯の目的で家の生垣に植えられていた程です。
そのため、からたちは棘が鋭い橘という意味で枸橘という別名が与えられたのです。