「杞憂ってどんな意味?」
木に己をプラスした漢字、杞。
この杞の読み方はキがメインです。
杞という漢字が一番多く使われるのは、
杞憂(きゆう)
という言葉かもしれません。
そこで、ここでは杞憂の意味や由縁を
- 木+己の「杞」を使った「杞憂」
- 「杞憂」を生んだ「杞」という国
という切り口で見ていこうと思います。
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木+己の「杞」を使った「杞憂」
木の左脇に己をつけた漢字の杞。
この読み方で、キの場合の代表例が杞憂(きゆう)です。
杞憂とは取り越し苦労を意味する言葉です。
杞憂という言葉は、
杞の国の人の憂い(うれい)
という成り立ちです。
「杞憂」の由縁
昔々、あるところに杞という国がありました。
杞の国に暮らす1人には心配事(憂い)がありました。
「地面がひっくり返ったら、どうしよう・・・。」
その国では、「地面は柱で支えられている」と考えられていました。
不安定なイメージですね。
その地面に、「天(空)が落ちてきたら大変だ!」と心配したのです。
地面を支える柱が折れてしまいそうです。
その者は、夜も眠れなかったそうです。
そんな事を考えても仕方がありません。
取り越し苦労です。
それが「杞の国の人の憂い(うれい)」「杞憂(きゆう)」です。
「杞憂」を生んだ「杞」という国
杞という漢字で表される国がありました。
それは紀元前の中国にあった小さな国です。
遠い昔の小さな国であったため、資料も少ないのですが
紀元前445年まで存在していた
という事は分かっているようです。
この杞という国の首都は、さまざまな土地に引っ越しています。
現在の河南省や山東省のなかを、周辺国のプレッシャーから逃れるように転々としているのです。
弱小国の住民の思いは、たった1人だけのものではない気がします。
国全体としての漠然とした不安感が
「杞の国の人の憂い(うれい)」
としての杞憂を生んだのではないでしょうか。