自然

時雨の意味!2つの季語になった!?

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「時雨って、どんな意味なの?」

時折、耳にする時雨という言葉。

ここでは、この時雨の意味という話題から始まり、

  • 時雨を生み出す「積雲」
  • 「時雨」が2つの季語に!?
  • 「時雨」を使った言葉がいっぱい!

といった内容を解説します。

それでは!

時雨とはどんな天気現象なのか、さっそく見ていきましょう。

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「時雨」の意味

「時雨って、どんな意味なの?」

時雨の読み方はしぐれで、冬の季語にもなっている言葉です。

時雨の意味は、「雨が降ってきたな・・・」と思っていても、いつのまにか止んでいる雨。

そして、止んだと思う間にまた降っている、断続的な雨

そんな雨が時雨の意味なのです。

この時雨は日本海側を中心として晩秋~初冬にかけて降る雨です。

「時雨」は「日本海側」

「時雨って、どうして日本海側?」

時雨はどうして日本海側に多くが発生するのでしょうか。

それは、寒い時期に多く発生する西高東低型の気圧配置によるものだからです。

シベリアからの冷た~い風。

この風が木枯らしとして日本に吹き付けます。

元々は、大陸の乾いている風なのですが・・・。

日本海上を通過するときに水分を拾います。

「時雨」と「対馬海流」

日本海側には、暖流の対馬海流が流れています。

時雨が降る頃の水温は12℃前後。

この海流が、乾いた木枯らしに水分を供給。

その雲が、日本海側に時雨を落とすのです。

時雨は「降ったり止んだり」

「時雨は、降ったり止んだり・・・。」

「一体どうして?」

時雨はなぜ、降ったり止んだりを繰り返すのでしょうか。

それは、時雨をもたらす雲に原因がありました。

時雨をもたらす雲は、それぞれが独立した状態で出来上がっていました。

独立した雲が絶え間なくやって来て、雨を降らせては去っていくのです。

時雨を生み出す「積雲」

時雨を生み出すのは、積雲(せきうん)と呼ばれる雲です。

積雲は、晴れた日の太陽がもたらす上昇気流で発生。

発生した積雲は、上に向かって縦方向に成長していきます。

そのため、積雲は独立してぽっかりと空に浮かぶことに。

積雲の別名は綿雲です。

次々とやって来る「積雲」

この、独立して現れる積雲。

積雲は日本海側に次々とやって来ては断続的に雨を落としていくのです。

ちなみに、この積雲が成長すると入道雲とも呼ばれる積乱雲に成長します。

積乱雲まで成長した場合の雨は大粒に。

ですが、時雨を降らせる積雲の場合は、比較的小粒の雨がパラパラと地表に降り注ぎます。

「時雨」が2つの季語に!?

「時雨が2つの季語に?」

「どういうこと?」

まず、時雨という言葉は冬の季語とされました。

晩秋~初冬にかけて降る雨ですからね。

降っては止み、降っては止み・・・。

それを繰り返す時雨に儚さや無情を、そして、それが故の美しさを感じたのでしょう。

そこに加え、時雨を含む文字が夏の季語になっていました。

「時雨」が「夏の季語」?

「冬に降る時雨が、夏の季語に?」

夏の季語となっている時雨があります。

それは、蝉時雨(せみしぐれ)という言葉です。

「蝉の声」と「時雨」

夏に時雨を思わせる泣き声を奏でる虫がいます。

そうです。

(せみ)です。

蝉の大合唱が時雨を思わせる、とされました。

その鳴き声が蝉時雨(せみしぐれ)と呼ばれ、夏の季語となっているのです。

儚くも美しい「蝉の声」

蝉が鳴くのは求愛のためです。

オスがメスにアピールしているのです。

蝉が地上で鳴いていられるのは一週間程度。

そこに儚さと美しさを見出し、降っては止む時雨をイメージしたのです。

「時雨」を使った言葉がいっぱい!

時雨という言葉は、季語になるほどの言葉です。

そのため、時雨が元になった言葉が幾つもあります。

例えば朝時雨といえば、朝に降る時雨のことです。

その他にも見てみましょう。

「村時雨」とは

「村のしぐれ?」

まず、村時雨(むらしぐれ)という言葉です。

この言葉は、強く降る時雨という意味です。

この村時雨は、同じむらしぐれという読み方で叢時雨と書かれる事があります。

という字は1文字でくさむら(=草むら)と読まれる漢字です。

「村」と「叢」の共通点

には共通点が。

と言う字は人が集まる場所という意味。

そしてと言う字は一箇所に集まるという意味を持ちます。

どちらの字にも、集まるという意味が含まれていますね。

その集まるというイメージがまとまって強く降る時雨という風景につながったのです。

「時雨心地」とは

時雨心地(しぐれごこち)という言葉があります。

涙が出そうな時の気持ちを伝える言葉です。

さらに、涙を流すことは時雨れる(しぐれる)。

涙する時の心の揺れを雨に結びつけた、表現力豊かな言葉です。

時雨月

他にも、明治初期まで使われていたカレンダーの陰暦では、時雨月(しぐれづき)という月がありました。

時雨が降る頃の1ヶ月を時雨月と呼んだのです。

また、その年に初めて降った時雨は初時雨(はつしぐれ)と言います。

「時雨煮」って?

「色んな味がやってくる・・・!」

時雨から生まれた言葉で、料理の名前になっているものが有ります。

それが、時雨煮(しぐれに)です。

この時雨煮は、元々はハマグリの佃煮のことでした。

それが現在、範囲が広がって

生姜を加えた佃煮

の総称として定着しています。

語源は、この時雨煮の味わいが時雨のように色々な表情を見せるからです。

一口食べると、色々な味が「やって来ては消える」ということです。

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