「寒波って、なんだろう・・・。」
気象情報でよく耳にする寒波という言葉。
ここでは、この寒波とはなにか?
という話題から始まり、
- 日本の寒波
- 寒波とナポレオン
- 寒気と気団
といった内容をサクサク解説します。
それでは!
寒波とはどんな天気現象なのか、お話を始めさせていただきます。
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寒波とは!その天気現象はコチラ
「寒波とは、どんな天気現象?」
寒波とは、上空5,000mに冷たい空気が流れてくる事をいいます。
高緯度の寒い地域で、キンキンに冷やされた空気。
その冷たい空気が風になってやって来る、それが寒波と呼ばれる天気現象です。
ちなみに、この風は季節風と呼ばれる強い風です。
寒波がやってくると、一気に気温が低下。
しばらくは、寒~い天気が続きます。
この寒波。
その天気現象の具体例を、日本で見てみましょう。
寒波とは?日本の場合
「シベリアって、-50℃?」
日本の上空にはロシアの東部、シベリアから空気が流れ込んできます。
冷たく乾いた空気が一気にやって来る現象です。
この冷たい風によって、日本の気温は一気に低下。
シベリアの冬は、地表付近でも-50℃まで冷える事がありますからね。
日本にやって来る寒波。
北西からのこの風は、日本近海のしけ(荒れた天気)を引き起こします。
寒波が陸地に到達すると・・・。
シベリアからの寒波で日本海側は大雪。
太平洋側には冷たい空っ風を吹かせます。
寒波の「雪」と「空っ風」
「大雪だ!」
シベリアでは乾いている風。
この寒波は日本海で水分をたくさん吸い取ります。
その水分が雪をたくさん降らせるのです。
そのため、日本海側の地域は世界でも指折りの豪雪地帯に。
そして、水分を落とした風は太平洋側に空っ風という現象をもたらすことに。
この冬の寒波は、2~3日続くことが多いようです。
その後は穏やかな天気に。
穏やかな天気には、太平洋上の高気圧が影響があります。
寒波と「偏西風」
「偏西風って、蛇行しているの?」
日本の上空には偏西風が吹いています。
日本の西側にある、大陸からの風がやって来るわけです。
じつは、この偏西風は南北に蛇行しています。
日本の北西から吹いてきて、日本の北東に去っていくのです。
下の図のようなイメージです。
この蛇行の波が大きい場合。
シベリアからの寒波が強く影響して寒冬になります。
逆に、この偏西風の蛇行が小さいと、暖冬になり易いのです。
シベリアよりも南部にある、中国の暖気が入ってき易いからですね。
寒波とナポレオン
「冬将軍がやってきた!」
世界の寒波と言えば、ナポレオンの軍がロシアで大きな影響を受けたことが有名です。
ロシアの冬の寒さで、ナポレオン率いるフランス軍が大きな被害を受けたのです。
その寒波は冬将軍と表現されました。
ナポレオンは冬将軍に敗北を喫したのです。
そして現在でも、冬将軍は冬の寒さを伝える言葉として使われています。
高緯度地域の「暖かな日」
大きな寒波、冬将軍に見舞われた地域があれば・・・。
逆に、その分の暖気が高緯度のどこかの地域に流れ込みます。
高緯度地域に、季節はずれの暖かな日が訪れるのです。
寒気とは?気団とは?
「寒気って、なに?」
寒気という言葉、これは
寒い空気
が短くなったものです。
「寒気」と「気団」
冬の日本にはシベリアから冷たい空気が流れ込む、というお話をしました。
この冷たい空気、すなわち寒気は大きな塊になっています。
この空気の塊は、気団と呼ばれています。
大陸や大きな海の上に強風が吹かない場合。
空気は、かき混ぜられません。
すると、その地域の空気は、同じ性質の空気の塊=気団になるのです。
シベリアの「寒気団」
「長い名前だな・・・。」
シベリアに出来上がる空気の塊(気団)は、大陸性寒帯気団と呼ばれます。
長い名前ですね。
これを、かなり短く省略すると、寒気団です。
この大陸性寒帯気団。
気温が低く乾燥した空気の塊です。
逆に、大陸の暖かい場所でできる気団は暖かく乾燥した空気の塊。
さらに、海にできる気団は湿った空気の塊になります。
水上の空気は水分をたくさん吸い込んでいるのです。
日本周辺の「気団」と「四季」
「日本の周りの気団は?」
日本の周りは、西側に大きな大陸。
それ以外は、大きな海に面しています。
そのため、色々な気団が日本に影響を及ぼします。
気団の影響を、四季の流れで見てみましょう。
冬の気団
まずは、ここまで紹介してきた冬。
冬はシベリアの気団が勢力を強め、冷たい風が日本に吹きつけます。
春の気団
そして、春。
春になると、中国大陸の南部から揚子江気団が日本に影響を与えます。
揚子江気団は暖かく乾燥した空気の塊です。
梅雨時期の気団
夏が近づき、梅雨の時期になると・・・。
北海道方面からオホーツク海気団が勢力を強めてきます。
これは、冷たく湿った気団で、梅雨前線を形成します。
夏の気団
夏が訪れ、勢力を強めるのは南方からの海洋性気団です。
この気団は暖かく湿ったものです。
南の海上から、日本に湿気の多い夏をもたらします。
秋の気団
そして秋になると、春に勢力が強かった揚子江気団が再び、中国南部から影響を与えることに。