「呉音って、なに?」
呉音(ごおん)とは、漢字の音読みのひとつです。
音読みとは、中国での漢字の読み方です。
この記事では、この呉音についてお話します。
- 「呉音」とは南部の読み
- 呉音と漢音
- 呉音と「鼻音」
といった話題で呉音に迫っていきたいと思います。
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「呉音」とは南部の読み
「南部って、どこの?」
呉音とは、中国での漢字の読み方です。
さらに、呉(ご)とは、中国南部の地方の呼び名です。
呉という地方の漢字の読みが日本に伝わり、
呉音
と呼ばれる様になった訳です。
呉音と「百済」
朝鮮半島には、百済(くだら)という国がありました。
4世紀前半にできた百済。
5世紀から7世紀頃には、この百済からの帰化人が、
呉音
という漢字の読み方を日本に少しずつ伝えました。
百済は呉地方との交流があり、影響を受けていたのです。
呉音と仏教
呉音という漢字の読み方は、仏教を通しても日本に伝来してきています。
仏教は、百済からは日本に伝わってきています。
その仏教の経典を理解するために、漢字の読みは重要です。
百済を通じて伝来した仏教ですので・・・。
経典は百済人が影響を受けている呉地方の呉音で読まれるようになるのです。
呉音の別名
この様にして、百済から伝わってきた呉音。
そのため、呉音の別名は百済音です。
また、百済への経由地が対馬なので、対馬音とも呼ばれます。
この伝来により、呉音が日本での漢字の読み方の基礎となりました。
呉音と漢音
「漢音、って言葉もあったな・・・。」
南方系の呉音に対して、中国北部での漢字の読み方は漢音と呼ばれます。
呉音は、北方系の漢音よりも先に日本に伝わってました。
漢音が日本にやってきたのは7世紀ごろから。
呉音は先述のように5世紀からですからね。
浸透していた「呉音」
日本の朝廷では、漢音を漢字の標準読みにしようとする政策をとりましたが・・・。
先に伝わった呉音は根強く残りました。
特に、呉音は仏教関係の言葉の読み方に多く残っています。
元々使っていた呉音から漢音への変化は無理があったのかもしれません。
呉音と「鼻音」
「鼻音って、なんだっけ?」
呉音には、鼻音が多く使われています。
鼻音とはマ行・ナ行のことです。
例えば、漢音でバと発音する馬。
それが呉音ではマ行のマという読み方なのです。
「鼻音って言われても・・・。」
「イマイチ分からない。」
そうですよね。
「鼻音」を試してみた!
鼻から抜ける音を鼻音と言うのですが、実際に試す方法があります。
すみません、変な感じなんですが・・・。
鼻を塞いだら・・・
鼻の空気をふさいで発音すると、良く分かります。
両方の鼻の穴を指先でふさぎましょう。
そうしたら、鼻穴をふさぎながら
「ア・カ・サ・タ・ナ・ハ・マ・ヤ・ラ」
と、ゆっくり言ってみます。
鼻音で振動した!
すると、ナとマを言った時だけ、鼻に振動が伝わります。
鼻音を使ったときの振動のようです。