「トカゲの尻尾って、切れるんだよね。」
「どうやって再生するの?」
「何回でも生えてくるの?」
トカゲの尻尾(しっぽ)は、すぐに切れる印象があります。
この尻尾、切れるのはトカゲ自身の意思によるものでした。
このトカゲの尻尾の再生のポイントとなるのは、
脱離節(だつりせつ)
再生芽(サイセイガ)
という2つのキーワードがありました。
ここでは、上の2つのキーワードを軸としてトカゲの尻尾の仕組みについて、お話しします。
それでは早速、
- トカゲの尻尾!再生のための「脱離節」
- トカゲの尻尾!「再生芽」からまた生える
という順で見ていきましょう。
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トカゲの尻尾!再生のための「脱離節」
トカゲの尻尾の再生の仕組みを見てみましょう。
尻尾の再生のメカニズムは、元々トカゲに備わっているものです。
じつは、トカゲの尻尾は切れる場所が決まっています。
それが、脱離節(だつりせつ)と呼ばれる部分なのです。
尻尾の「脱離節」
「危ないっっ!」
トカゲは危険を察知した時に尻尾が切れます。
それは、トカゲが自分の意思で切り離している行為なのです。
「脱離節」とは?
トカゲの尻尾には脱離節と呼ばれる部分があります。
脱離節とは、トカゲの尻尾を切り離すことができる部分です。
脱離節の部分は、骨や筋肉がしっかりくっついていません。
そのため、トカゲは自分で尻尾を「すぽっ」と外すことができるのです。
「出血」を防止する機能が!
トカゲは筋肉を動かすことで、脱離節から尻尾を切り離します。
トカゲの本体からは、血が出ないようになっています。
脱離節の部分は、血管を閉じることができるのです。
尻尾の「脊髄反射」とは?
「どうして、尻尾だけで動くの?」
切り離された尻尾は、その場で動き続けています。
尻尾が動き続けるのは、脊髄(せきずい)反射と呼ばれる現象です。
尻尾から遠い脳からの指令ではありません。
尻尾の骨から微弱な電流が流れ、尻尾の筋肉が動き続けるのです。
「おとり」になる尻尾
トカゲ本体の身を守るため、尻尾はおとりの役割を担当しています。
トカゲの敵は、尻尾の動きに注意を引かれます。
その間にトカゲは逃げやすくなるんですね。
トカゲの尻尾!「再生芽」からまた生える
「トカゲの尻尾、切れた後はどうなるの?」
トカゲの尻尾を分離するための脱離節。
分離後の面には、すぐに新しい皮膚が作られます。
さらに、分離後に5日ほど時間が経つと、「ぷくっ」と、切り離された部分が膨らんでくるのです。
尻尾の「再生芽」
「ぷくっ」と膨らんだ切り口。
これは再生芽と呼ばれる、まさに尻尾が再生する機能です。
この再生芽から尻尾を再生し始めるトカゲ。
数ヶ月の時間で、尻尾の再生は終了します。
トカゲの寿命
ちなみに、トカゲは結構長く生きます。
ニホントカゲの寿命は5年以上です。
トカゲに含まれるカメレオンは10年。
オオトカゲになると、20年から30年もの寿命が備わっています。
尻尾は何回再生する?
「トカゲの尻尾って、何回再生するの?」
じつは、トカゲの尻尾は何回でも再生可能です。
脱離節と再生芽の機能は失われないのです。
そのため、トカゲには2本や3本の尻尾を持つ強者がいます。
これは、切れずに残った尻尾と再生した尻尾です。
トカゲの体に切れ残った尻尾がある場合、「尻尾が切れた!」と判断して、もう一本再生させてしまうのです。
元とは違う尻尾
ちなみに、再生された尻尾は元とは違うものです。
まず、尻尾は元のような骨ではなく軟骨になります。
また、尻尾の色は以前とは違うものに。
さらに、長さも元々の長さよりも短いことが多くなります。