南アメリカを中心に生息し、群れやペアを作らずに単独行動をするアリクイ。
アリクイという名前の通り、食事のほとんどがアリやシロアリです。
このアリクイには歯が全くなく、口もあまり開きません。
・・・そんな口で、どうやって食事をするのでしょうか。
まずアリクイは、前足の大きな爪でアリの巣を壊します。
そして、細くて長~い舌を、アリの巣の中に入れてしまいます。
舌にはネバネバした液がついていて、巣の中のアリを舐めとるのです。
「そのアリクイって、どんな種類がいるの?」
そんなアリクイという動物は、さらに3種類に別れています。
まず、小さなサイズで可愛らしいヒメアリクイ。
中くらいの大きさのコアリクイ。
そして、大柄なオオアリクイです。
ここからは、アリクイのそれぞれの種類を、
- アリクイの種類①ヒメアリクイ
- アリクイの種類②コアリクイ
- アリクイの種類③オオアリクイ
という順で追っていきます。
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アリクイの種類①ヒメアリクイ
「小さくて、かわいいね。」
アリクイの1種類目はヒメアリクイです。
ヒメアリクイは、森林の木の上で生活する、小さなアリクイです。
体の大きさは、人間の手のひらサイズ。
20cmくらいの大きさで、体重は200g前後です。
ヒメアリクイの暮らし
ヒメアリクイの20cmの体には、同じ20cm程度のしっぽがついています。
このしっぽを木の枝に巻きつけ、体を安定させています。
ヒメアリクイは巣を作らず、木の葉やつるの中で丸くなって体を休めます。
しかし、出産の時だけは別です。
木にできた空洞の中に枯葉をあつめ、出産用の巣を作るのです。
敵が来たら
ヒメアリクイは敵に襲われた時に顔を隠すような仕草をします。
泣きじゃくる様にして、前足で顔を隠すのです。
ヒメアリクイの食事
ヒメアリクイは、木に作られたアリの巣を壊してアリを食べます。
ヒメアリクイが行動するのは夜。
樹木の空洞にアリ巣を見つけると、前足の爪で木の皮を剥ぎます。
そして、細長い舌で中にいるアリを舐めとるのです。
アリクイの種類②コアリクイ
アリクイの種類、次はコアリクイです。
コアリクイは体長50cmから80cm。
しっぽの長さは50cmくらいで、体重は3kgから8kgになります。
コアリクイの暮らし
「いろんな環境でもOKなんだね!」
コアリクイは様々な環境に生息しています。
熱帯雨林にも、逆に乾いたサバンナにも適応しているのです。
さらに、コアリクイは木の上でも陸上でも生活が可能で、昼夜を問わず活動します。
ところが睡眠時間は長く、1日の半分以上を寝て過ごします。
子供が生まれると、背中に乗せて移動します。
コアリクイの食事
コアリクイの食事では、筋力の強い前足と、その前足の爪を生かします。
前足と爪のパワーで腐った木を破壊。
中にいるアリを食べるのです。
また、コアリクイは昆虫の巣を破壊して食べたり、蜂を食べることもあるようです。
ちなみに、コアリクイはしっぽを器用に使って物をつかむ事が可能です。
アリクイの種類③オオアリクイ
アリクイの種類の中で、一番大柄なオオアリクイ。
体長は1mのものから、最大では2mにまで達します。
体重も30kg前後と重く、アリクイの中では唯一、木の上に登りません。
オオアリクイの暮らし
「大きいのに、小さなアリが主食なんだね。」
体の大きなオオアリクイ。
それでも主食は、小さなアリやシロアリです。
大きな体なのに、小さなアリを食べているなんて、なんだか不思議です。
実際は、体の維持のために1日およそ3万匹ものアリを食べています。
食事は1分!
オオアリクイは、一つのアリの巣での食事を1分程度で終わらせます。
それは、自分の縄張りの餌を食べ尽くさないという配慮からきています。
1分間の食事を終えると、オオアリクイは次のアリの巣を求めて歩き出します。
オオアリクイの食事
オオアリクイは、まず前足の爪でアリの巣に穴を開けます。
そして、60cmもの長~い舌をアリの巣に侵入。
たくさんのアリを舐めとってしまいます。
スピード王!
ビックリなのが、舌を出し入れするスピードです。
なんと、1分間に150回の速さの出し入れが可能なのです。