「太陽から一番近い惑星って、どの星?」
そううです。
今回紹介する、水星です。
さっそくお話をはじめたいと思います。
- 水星とはどんな星?簡単に紹介!
- 水星とは鉄の惑星
- 水星とはクレーターの惑星
- 水星の温度と長い1日
という順で見ていきましょう。
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水星とはどんな星?簡単に紹介!
水星とはどんな星なのか、簡単に紹介しようと思います。
水星を象徴するものとは・・・。
水星を象徴するものとは
「水星とはどんな星?」というと
「クレーターの星」と答えることができます。
月と同じで、水星にはクレーターが沢山あるんです。
水星と月、外見は見分けられない位に似ているんですよ。
水星には崖もたくさん!
この水星。
たくさんのクレーターと同じように、ものすごい数の崖があります。
ディスカバリールーペス(ルーペスとは、ラテン語で「岩」の意味) という崖はなんと!
高さが2,000mで、長さがなんと650kmもあるんですよ。
この崖は、水星が出来た当初ものすごく暑かった内部が冷え、そのおかげで水星そのものが縮んで小さくなったおかげで表面に皺ができたのではないか、と言われています。
惑星にとってのシワは、私たちの目から見れば大きな大きな崖となるわけです。
水星とは一番小さい惑星
この水星、太陽系の惑星の中で一番太陽に近く、一番小さい惑星でもあります。
水星のサイズは地球の5分の2程度なんです。
地球の衛星である月と比べても、1.4倍ほどの大きさしかありません。
◆水星!まだまだあります
この水星には興味深いことが、まだ沢山あります。
昼は灼熱、夜は冷凍庫よりも寒い。
水星の一日は一年よりも長い!?
なんて事もお話します。
それではまず、次の章では水星が鉄の惑星であったことを解説します。
水星とは鉄の惑星
水星は、密度が高いのです。
ちなみに、密度が一番の惑星は地球。
この地球の次に密度が高い水星とは、鉄の惑星であったのです。
水星は高密度
水星の重力は地球の0.4倍しかありません。
小さい惑星のため、重力が小さく地球のように惑星自体をギュッと圧縮することができないんですね。
それでも地球に次ぐ密度を誇る水星。
その理由は何と!
水星の質量の8割以上が鉄やニッケル(金属)でできているんです。
比重の重い金属が惑星の質量の大部分を占めていることによって、密度の濃い惑星を誕生させたのです。
水星の核は大きかった!
水星の核の部分は、他の惑星と比べてとても大きな割合を占めています。
水星の直径の平均が4,879km。
対して、鉄を中心としてできた核の直径は3,600km程度と言われています。
直径でみると、7割を超えていますね。
ちなみに、核の体積は水星全体の61%。
地球の場合は鉄の核が17%となっています。
実は、水星は揺れるように回転(自転)しています。
これは水星内部の核が液状であることを示しています。
ちなみに、生卵を回転させようとすると、ゆらゆらと揺れます。
ゆで卵になると、スムーズな回転が可能に。
そんな感じです。
水星の本体のかなりの部分を占める核。
そして、核の主成分が鉄。
一体どうしてなのでしょうか?
水星の核が大きいわけ
どうして水星の核の部分が大きくなったのか、様々な説があります。
ここでは主要となる説を、3つを取り上げたいと思います。
①小型天体集合説
まず、比較的小さい天体が互いの重力で引き寄せられ、ぶつかりあい、水星になったという説です。
じつは、小さい天体同士がぶつかりあった時、岩石の部分は飛び散り、どこかへ飛んでいってしまう割合が高いのです。
そして鉄などの金属部分。
金属の部分は逆に、互いに引き寄せられやすいのです。
そのため、小さい天体同士がぶつかり合うことを繰り返すほどに岩石が飛び散り、鉄などの金属の割合が高い水星が完成したということなのです。
②蒸発説
2つ目の説です。
こちらは蒸発説。
この説では、
「水星は出来たばかりの頃、地球のような惑星であった」
としています。
そこに太陽の活動が活発化。
太陽に近い水星は、その熱をもろに受けることになりました。
地球的な惑星であった水星の表面の地殻やマントル部分が蒸発。
無くなってしまったという説なのです。
そして、残された水星は核の割合が高くなったとしています。
③巨大衝突説
最後の3つ目が一番有力な説です。
これは巨大衝突説と呼ばれています。
ぶつかったのは、惑星になったばかりの天体同士です。
鉄などの金属でできた核。
その周りに岩石でできたマントルや表面部分の地殻。
ここまで出来上がっていた原始的な惑星同士が衝突!
ぶつかり合ったことで、核の外側のマントルや地殻が弾け飛びました。
そして、内側にあった金属部分がメインとなる合体をしたという説なのです。
水星とはクレーターの惑星
冒頭でお話したように、水星とはクレーターの惑星でもあります。
私達が夜空を見上げると浮かんでいる月。
その月と同じようなクレーターがたくさんあるのです。
そのため、水星と月は外観が似ているのです。
水星が出来たばかりの頃、空から無数の隕石が降り注ぎました。
その隕石の衝突痕がクレーターです。
水星の巨大クレーター
水星のクレーターは数がたくさんあるだけではありません。
超巨大なものもあるのです。
カロリス盆地という名称がついたクレーターは直径がなんと1,550km!
ちなみに、札幌と博多の直線距離がだいたい1,420km。
水星自身の直径4,879kmの3分の1に迫るサイズなのです。
水星にたくさんクレーターがある理由
どうして、水星にはこのような沢山のクレーターが残されているのでしょうか?
理由はまず、水星にはほとんど大気がないということが挙げられます。
大気がないのですから、雨や風がないのです。
すると、クレーターは風化していかないのです。
水星に大気がほとんどないのは、水星が小さな惑星であり、「その少ない重力では大気を自分の表面に留めておけなかった」という説があります。
◆クレーターと地殻
水星のクレーターが風化しない理由は、もう一つあります。
水星表面の地殻は、地球のようにプレート移動していないのです。
プレート移動があると、地殻に歪みが生まれるので、クレーターの痕跡はどんどん消えていきますからね。
水星に崖ができた時代
水星に隕石が大量に落下する時代は、38億年前まで続きました。
どんどんクレーターが増えていった時代です。
その次は、熔岩流の時代に。
熔岩によって平原が作られ、クレーターを消すこともありました。
◆水星に崖ができた!
度重なる衝突のエネルギーを溜め込んで灼熱状態だった水星の内部。
その内部は、段々と冷えていきました。
冷えて体積が縮小していった水星。
表面にはひび割れができきました。
それが、水星の表面に延々と続く崖です。
この崖の形成は、30億年前位まで続いたようです。
7億5000万年前になると、溶岩も流れ出さないようになりました。
水星が、現在と同じようなクレーターと崖が目立つ姿になったのです。
水星の温度と長い1日
最後の章です。
ここでは、
- 水星の気温
- 水星には水がある?
- 水星の1日と1年
という順でお話をさせていただきます。
水星の気温
水星は灼熱の惑星であり、なおかつ極寒の惑星でもあります。
昼は最高で430度!
水星の表面は焼け焦げた感じに。
逆に、夜はマイナス180度くらいまで気温が下がるのです。
太陽に近い水星。
昼の水星は、太陽の放射熱をモロに浴びる大変な星です。
そして夜は、大気のないことが影響しています。
大気があれば熱を包み込んでそんなに寒くはなりません。
しかし、大気がほとんど無い水星は、夜になると宇宙空間に表面の熱をそのまま放出。
約600度にも及ぶ寒暖の差は、惑星の中でナンバーワンなのです。
水星には水がある?
昼間は灼熱になる水星。
そんな水星にも、水がある可能性がわずかにあります。
水星の北極か南極には、永遠に日の当たらない場所があるかもしれないのです。
そこに水があれば、ずっと凍った状態で存在し続けることができるのです。
◆自転軸が傾いていない水星
地球が自転する軸は、太陽に対して約23度傾いています。
そのため、北極や南極にも一年を通して日が当たる時間があります。
ところが水星の場合、この自転軸がほとんど傾いていないのです。
ですので、水星の北極か南極に大きなくぼみがあれば・・・。
その場所には永遠に太陽が当たらないことに。
太陽が当たらないその場所は、永遠に低い気温を維持します。
すると、水はずっと氷として存在できるのです。
水星の1日と1年
水星の1日は、水星の1年よりも長いんです。
ん?
どういうことでしょうか?
水星の自転のスピードは、気が遠くなる程ゆっくりです。
そのゆっくりさが影響して、水星の1日の長さ(真昼から次の真昼までの時間)は地球の176日間に及びます。
そして、水星が太陽のまわりを一周する時間(1年)は、地球の88日間です。
水星の1日の長さ(176日)は、水星の1年(88日)よりも長いのです。
水星では太陽(お日様)が昇ってから地平線に沈むまでがなんと!地球時間で176日もかかるんですよ。そして、水星の1年は約88日しかありません。太陽に一番近い水星は、太陽を一周する時間も短いのです。これは、太陽系の惑星の中で一番短い一年の長さなんですよ。