「お城の石垣、格好いいなぁ。」
そう感じます。
作り上げた人達の、汗と活気と力強さが伝わってくる気がするのです。
石切り場で石材を切り出し、城まで運び、そして高く積み上げられた石垣。
そびえ立つ石垣は、城主の威厳を表しているようです。
この石垣を積む技法として、算木積みがあります。
石垣は算木積みによって、より強固なものになるのです。
こちらの記事では、この算木積とはどんな技法なのか、そして算木積みの由来についてお話します。
- 算木積みとは!
- 算木積みの由来!石垣の技術編
- 算木積みの由来!呼び名編
という順で見ていきましょう。
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算木積みとは!
算木積みとは、お城の石垣の積み方です。
石垣の角(すみ)の部分に使われる技法で、石垣が崩れないように、強度をアップさせるのです。
ではさっそく、この算木積みを見てみましょう。
石垣の角の部分に、直方体に加工された石が交互に積まれています。
画像のように、石垣の角の石を組んで積み上げるのが算木積みです。
これで、石垣全体の強度が格段にアップしているのです。
算木積みとは城を強化するもの
算木積みとは
お城を強化するもの
と言えます。
算木積みによって石垣が強化されれば、お城も強くなるからです。
この算木積みは、お城の歴史と共に進化を遂げてきました。
石垣がしっかりしていれば、城の防備が強くなりますからね。
また石垣は城の建物の基礎部分にもなりますから、建物のためにも算木積みは重要でした。
では、次の章からは算木積みの由来について見ていきましょう。
まずは技術編、その後に名前の由来と続きます。
算木積みの由来!石垣の技術編
算木積みの由来を、石垣の技術の進歩という切り口からみてみましょう。
城で石垣が積まれはじめると当然、石垣の強度をアップしようとしますね。
算木積みの技術はそこから始まりました。
算木積みの由来は角の大きな石
まず、石垣の角(すみ)の部分に大きな石が積まれました。
これが算木積みの由来と言っていいでしょう。
石垣の隅が強固になれば、おのずと石垣全体が崩れにくくなりますね。
次の段階で考えられたことは
石垣の隅の石材を平らにする
ということです。
石垣の角の大きな石を平らに加工し、強度をワンランクアップさせました。
さらに、次の段階。
石垣の角に、直方体に加工した石材を交互に積みました。
ほとんど算木積みの技術が出来あがった感じです。
最後は、算木積みの完成形です。
石材は規格が統一され、きれいに加工されました。
積み上げられた石垣は、互いにピッタリと重なり合うようになりました。
一番の角(すみ)部分の石材が交互に積まれていますが、その脇の石に注目してみます。
この記事の文頭でご覧いただいた算木積みの画像をもう一度見てみましょう。
この石材は角脇石と呼ばれます。
交互に積まれた石材を角脇石がしっかりと支えています。
これで算木積みが完成の域に達しました。
算木積みの由来!呼び名編
最後の章は、算木積みという呼び名の由来について、見ていきましょう。
算木積みの呼び名の由来は?
この算木積みという呼び名は
和算に使う道具
が由来になっています。
中国に古くからある数学が、日本に伝わって和算が発展します。
この数学に使う道具の名前が算木なんです。
算木には、マッチ棒を太くしたような形の棒が使われました。
この棒が、算木積みに使う石材に似ていることが名前の由来となっているのです。
和算にも、石垣の算木積みにも、直方体の形の物が使われているのです。
算木積みの由来が易学?
ちなみに「算木」として調べてみると、易学の道具としても使われているというではありませんか。
形も同じ直方体です。
筆者としては、算木積みの由来は、こちらの「算木」かも?と感じます。
こちらの算木を基にした家紋も多く存在するので、
「同じ文化かな・・・。」
そう思えるのです。